活用事例
能登地方で育つ「能登ヒバ(アテ)」は、独特の芳香と優れた抗菌・防虫効果を持ち、かつては建築材や生活用品として広く使われてきました。近年ではその魅力を再発見し、現代のライフスタイルに合った形で活用するプロジェクトが増えています。ここでは、能登ヒバの特性を生かした3つの注目プロジェクトをご紹介します。
1.NOTOHIBAKARA(ノトヒバカラ)
加賀木材株式会社が展開するブランド「NOTOHIBAKARA」は、能登ヒバの香りや抗菌性を生かした日用品・雑貨のシリーズです。エッセンシャルウォーターやアロマオイル、靴用のスプレー、ウッドチップ枕など、自然素材の力を暮らしに取り入れる商品が揃っています。さらに、リノベーション用の建材としても能登ヒバを活用。フローリングや家具、建具などに取り入れることで、空間全体に木の香りと癒しをもたらします。また、製造工程の一部には障がい者施設の協力を得るなど、福祉との連携にも取り組んでいます。能登ヒバを「香る暮らしの素材」として再定義したこのプロジェクトは、持続可能な木材利用の先駆けとなっています。




2.ATENOTE(アテノオト)
フルタニランバー株式会社が進める「ATENOTE」は、能登ヒバを楽器の素材として活用するプロジェクトです。古くから良材として知られていた能登ヒバを、ギターやウクレレ、三味線、ハープ、ドラムなどに活かし、その音響特性を引き出しています。特に、中高音・低音のバランスが良く、音の広がりが美しいとされ、実際にプロのミュージシャンとのコラボも進んでいます。木材としての強度と軽さ、加工のしやすさに加え、楽器に求められる「響き」を備えている点が評価されています。地元材の新たな価値を発信するこの取り組みは、林業と音楽産業をつなぐ新しい試みとして注目を集めています。



3.ATTE(アッテ)
能登ヒバの端材から抽出したアロマ成分を使い、生活に役立つ製品として展開しているのが「ATTE」です。アロマスプレーや靴用のデオドラントキット、バスソルトなどを通じて、能登ヒバの持つ香りと抗菌・消臭効果を日常生活に取り入れやすい形で提供しています。林業で出る端材や未利用材を活かすことにより、森林資源の循環利用にも貢献。香りによる癒しや快適さだけでなく、「もったいない精神」に基づくサステナブルな商品づくりもこのブランドの大きな特徴です。


