能登森林組合(穴水町麦ケ浦)

山を整え、持ち主に還元

能登ヒバなど奥能登地域の木材生産を管理する能登森林組合本所事業部長の古坊(ふるぼう)勝利さんにお話をうかがいました。

――これまで製材所や生産者から森林組合のお名前をうかがっていて、地域の林業にとても重要な組織だと感じます。改めてどのようなお仕事をされているのか教えてください。
古坊勝利
(以下、古坊):能登森林組合は2009(平成21)年に奥能登の3つの森林組合が合併してスタートしました。森林組合は山林を所有している人からの出資を受けて、木材の伐採と搬出、山の整備などを請け負っています。また、山地の工事や道路管理なども手掛けることもあります。林業は農業と違って土地所有者と生産者が分かれていますので、わたしたちの目的は山を預けてくれる土地所有者に還元していくことを目的にしています。


――林業といえば真っ先に思い浮かぶ木こりも、森林組合の方なんですよね
古坊
:そうです。奥能登で木の伐採に携わる職員は約50人ほどいます。管轄内でかつては300人に達していたこともありますが、震災の影響で退職した方も出ましたので人手不足が深刻になっています。そのために一度に整備する面積を大きくしています。以前は1反(990平方メートル)ごとに整備していたところを、今は約50倍の5町(5万平方メートル)に広げて、一度に進めています。特に震災後は各地で倒木や崩落が相次いだのでインフラの整備もお手伝いしていますし、石川県南部のかが森林組合にもご協力頂きました。

新たな尺度見つけたい


――多くの手をかけて森を育てているのですね。特に能登ヒバについては戦略的に進めていると聞きました
古坊
:能登ヒバは樹齢60年を超える林が約3400ヘクタールほどあるので、そこを重点的に整備していくことになるだろうと思います。能登ヒバの成長は非常に遅くて、同じ太さのスギと比べると20年以上多くの時間がかかります。これから100年木を育てていきたいとも考えているのですが、人間の3世代以上を費やすことになるでしょう。大きく育てるばかりでなく、切った場所についても新しく植えていかないと生産量を維持できません。他の樹種を伐採したあとには能登ヒバを優先的に植えていく計画です。具体的な植林の方法についてもいろいろな方法を研究しているところです。


――3世代とは壮大な話です。販売面でもなにか課題はあるのでしょうか
古坊
:能登ヒバは数が少ない木なので価格帯が高めではありますが、それ以上に価格の変動が非常に大きいことが課題だと思っています。隣の木材市場では競売も行われますが、入札がなく、せりにならないときもあります。森林組合としても新しい需要を開拓していかねばならいと考えて、最近は業者に能登ヒバの生産地を見てもらうプロジェクトもスタートしました。震災の影響で遅れていますが、森を見学できるように林道の整備を目指しています。


――組合として能登ヒバをどのように発信していきたいですか
古坊
:先ほどもお話ししたように、能登ヒバは建築用木材としての尺度で現在の価値が決められています。もっといろいろなことに使える可能性がありますし、別の視点で価値を見出してもらえるように、工夫をしていきたいと思います。そうだ、せっかくですからこれから能登ヒバの森を見学しませんか。ご案内しますよ。
――ぜひご一緒させてください。ありがとうございました